総合研究推進本部では、本学教員の国際的な学術研究活動を促進するため、海外の競争的研究費獲得に向けた包括的なサポート体制を構築しています。
具体的な支援の二本柱として、学内説明会や個別相談を通じた最新の公募情報の提供と、実践的な申請支援を展開しています。さらに、海外の競争的研究費への応募過程で不可欠となる、共同研究機関や資金提供機関との円滑な連携構築においても積極的な仲介・調整を行っています。特にアメリカ国立衛生研究所(NIH)や欧州連合のHorizon Europeといった機関申請型の大型研究プログラムにおいては、こうした組織間の円滑な連携が研究費獲得の成否を左右する決定的な要素となります。
国際的な研究支援について少しでも気になることがございましたら、お気軽にお声がけください。一緒に研究の可能性を広げていきましょう。
支援内容
申請書の作成支援・模擬面接
各ファンドの審査の観点に沿った申請書の改善や模擬面接を必要に応じて実施します。本学の申請代表者が英語のネイティブチェックを受けられない場合、申請書の英文校閲を外注することも可能です(応相談)。
共同研究機関・資金提供機関との仲介
海外の研究者と共同で申請する場合、共同研究機関や資金提供機関の担当者とURAが連絡を取り合い、必要な書類の作成を行います。カバーレター、共同研究契約、予算書などの作成に加えて、機関代表者の署名や事務担当者の登録手続きをURAが仲介します。NIHやHorizon 2020などの機関申請型の海外研究費にはURAの仲介・登録が必要となるので、必ず下記問い合わせ先までご連絡下さい。
海外の研究費情報の提供
研究者の専門分野や研究目的に合わせた海外研究費の情報を、URAが厳選して提供します。また、Harvard-Yenching InstituteやHuman Frontier Science Program等の国際的に評価の高い助成金については、採択経験者や専門家を交えた学内公募説明会も定期的に開催しています。最新の公募動向や審査傾向を踏まえた実践的なアドバイスが得られる貴重な機会です。
主な海外の研究費
以下の海外研究費については定常的な申請支援体制を整備しておりますが、記載以外の研究費についても積極的にサポートしますので、お気軽にご相談ください。
対象となる主要な研究費
- European Research Council (ERC) Synergy Grant
ヨーロッパ最大の研究助成制度「Horizon Europe」の枠組みで実施される卓越した研究プログラムで、日本の科研費における基盤(S)や特別推進研究に相当する大型研究資金です。ヨーロッパの研究者と2〜4名の国際研究チームを構成して申請する必要がありますが、本学の研究者も対等なパートナーとして研究費の受給資格を有しています。国際共同研究を通じた研究の飛躍的発展と世界的なプレゼンス向上の絶好の機会となります。
- Human Frontier Science Program (HFSP) Research Grants
⽣体の精妙かつ複雑なメカニズムに焦点を当てた革新的、学際的、かつ新規性を備えた基礎研究を⽀援する国際的な助成事業です。物理学、数学、化学、情報学、工学など、ライフサイエンス以外の多様な分野の研究者の参画を積極的に奨励しており、異分野の知見と技術を結集することで、基礎生物学における未踏の課題に挑戦するすべての研究者に門戸が開かれています。
- Google Research Scholar Program
博士号取得後7年未満の助教以上の若手研究者を対象に、Googleが年間35,000ドルを助成する次世代研究者育成プログラムです。情報科学を中核としながらも、量子コンピューティング、サイバーセキュリティ、先端機械学習、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションなど、幅広い先端技術分野が公募対象となっています。情報学分野の若手研究者にとって理想的な研究資金です。
- Google Academic Research Awards
コンピューティングとテクノロジーの最先端領域における革新的研究を支援することを目的とした競争的研究資金プログラムです。各資金提供サイクルにおいて特定の戦略的研究分野に関する提案依頼(RFP)が公開され、世界中の学術機関の研究者からの提案が募集されます。採択されたプロジェクトには最大150,000ドルの研究資金が提供され、Googleの研究者との協働機会も得られます。最先端技術の社会実装を加速させる産学連携の貴重なプラットフォームとなります。
- Marie Skłodowska-Curie Actions Postdoctoral Fellowships
欧州委員会が主導する「マリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクションズ(MSCA)」の一環として、博士号取得後の研究者(ポスドク)の国際的なキャリア発展と研究能力向上を支援する名門フェローシップです。研究分野に制限はなく、自身の研究テーマを自由に追求できる高い自律性と充実した研究環境が特徴です。欧州の一流研究機関との持続的な協力関係構築と国際的な研究者としての飛躍的成長を実現する絶好の機会です。
- Harvard-Yenching Institute Visiting Scholars Program
アジアに関連する人文科学・社会科学分野の優れた研究者を対象とした、ハーバード大学における名誉ある客員研究員プログラムです。東アジア、東南アジア地域の卓越した研究者が、世界最高水準の学術リソース(図書館コレクション、研究者ネットワークなど)を活用し、自身の研究プロジェクトを質的に深化させる貴重な国際研究機会が提供されています。世界的な研究拠点での研鑽を通じた研究の国際的可視性向上と学術的ネットワークの拡大が期待できます。
- National Humanities Center Residential Fellowships
アメリカ合衆国ノースカロライナ州に位置する国立人文学研究センターが、毎年厳選された約40名の研究者に提供する全寮制の集中研究・執筆フェローシップです。選出されたフェローは、最長9ヶ月間にわたり、個人専用の研究室や一流の図書館サービスなど、創造的思考を促進する理想的な環境で、研究と執筆活動に専念することができます。人文学研究者にとって、画期的な著作や論文を生み出すための理想的な研究環境が整備されています。 - Bill & Melinda Gates Foundation Global Grand Challenges
ビル&メリンダ・ゲイツ財団が主導する、世界の健康と開発における喫緊の課題解決を目指すイノベーション促進プログラムです。特に低・中所得国において実質的な社会的インパクトをもたらす可能性を秘めた、大胆で斬新なアイデアや画期的な科学技術的ソリューションの創出が強く求められています。研究成果の社会実装と国際的な課題解決への直接的貢献を志向する研究者に最適な機会です。 - National Institutes of Health (NIH) R01, R03, R21 Grants
アメリカ合衆国における医学・生命科学研究を支援する中核的政府機関が提供する複数種類の研究助成金です。基礎生命科学の探究から、疾病メカニズムの解明、革新的予防・診断・治療法の開発、臨床試験の実施、公衆衛生研究に至るまで、人類の健康増進と福祉向上に貢献する極めて広範な研究活動に対して、充実した研究資金が戦略的に配分されています。 備考: 本情報は研究助成環境の変化に応じて随時更新されます。最新かつ詳細な情報については、大学公式ウェブサイトの研究支援ページをご参照ください。
お問い合わせ
総合研究推進本部 海外ファンド獲得支援チーム
E-mail: foreigngrant*kura.kyoto-u.ac.jp *は、@に変更してください。