かつて喫茶店等で盛んに行われていた学生同士の議論を復活させ、「百万遍談議」として継続的に実施していきます。
授業ではありませんので、なにかこうしなければいけないという義務はなく、単に興味があるから参加して、人の話をきき、自分の考えを述べる。それだけです。
毎回のテーマに関して、あらかじめ知識が必要となるわけではありません。
唯一お願いするのは、毎回提示される「書物」あるいは「短文」を読んでくること。
また、「議論」はしますが、なにか結論を導こうとして話をするわけではありません。テキストを読んで思ったことを自由に話してもらえばいいわけで、もちろんその場で誰かの発言をきいて思いついたことを話しても結構です。
「人はこんなことを考えているんだ」ということを知るだけでも楽しいですし、さらには、自分の考えを人にきいてもらうことの楽しさも、大学生に与えられたある種の特権です。
気軽な気持ちで参加してください。
いろいろな人と人、人と言葉あるいは考えの出会いが生まれることを楽しみにしています。
今回は「生まれ方と生き方」というテーマについて、ともに考えてみたいと思います。
テキストは、下記の申込フォームに記載のリンクからダウンロードして読んでください。
「生まれ方と生き方」 岡本 考生(文学部3回生)
宇佐美 文理 文学研究科 教授
2024年8月3日(土) 15:30~17:00
百周年時計台記念館(本部・西部構内マップ No.3) 会議室Ⅱ
京都大学学部学生(正規生)10名 先着順 / 定員に達し次第、受付終了
日本語
無料
※要事前申し込み
※当日参加不可
今回は特別に、京都大学百周年時計台記念館にて開催しました。
また、第17回に引き続き文学部3回生の岡本 考生さんに「生まれ方と生き方」をテーマにテキストを執筆してもらい、話題提供をお願いしました。世話人は宇佐美 文理 教授です。
使用テキストに綴られた物語は、「技術革新の凄まじい、なんでもロボットが願いを叶えてくれるエリア」と「年中内戦が絶えないエリア」と「大変平凡なエリア」の3つのエリアに分かれた国が、自国民の行動を監視・記録した上で、25年毎に「善行」と「悪行」の質と量により国民を3つのエリアのどこかに振り分けようとする、というものでした。
談議の冒頭では、この国の仕組みが仏教の「輪廻転生」に似ている、という指摘から「宗教において『罪』はどのようなものか、何が『罪』とされるのか、如何にして『罪』から救われるのか」といった話題になりました。
また、生まれたときの環境によってその後の人生がほとんど決まってしまう、というこの物語が「現代社会への風刺」ではないか、という指摘が飛び出し、そこから「大学で勉強できる自分は恵まれている立場にあり、そのことが後ろめたい」という発言に、一同考えさせられたようでした。
最後に、「3つのエリアで用いられる善悪の基準が同じであることが問題なのではないか」という指摘から、法律や法律以前の倫理に関するあり方についての議論になるなど、様々な切り口から話が盛り上がった回となりました。
(記録:横江)
京都大学学術研究展開センター 百万遍談議担当
内線:16-5177
E-Mail : jinsha*kura.kyoto-u.ac.jp(*を@に変更してください)
※できるだけメールでお問い合わせください。