本学がエチオピアにおける道路災害低減に向けた国際共同研究プロジェクトを本年度より開始することに伴い、学術研究支援室(KURA)の若松 文貴URAが、2019年4月25日にエチオピアの首都アディスアベバで行われたキックオフ・ミーティングの開催を支援しました。
今回のミーティングは、日本側チームの研究代表者である本学の木村亮工学研究科教授と重田眞義アフリカ地域研究資料センター長が中心となって企画し、プログラムメンバーであるエチオピアの研究者やプロジェクトに関わる関係者ら約40名が集いました。KURAからは若松URAが同行し、京都大学の概要とアフリカ研究について発表しました。
冒頭では、エチオピア側を代表してNurelegne Teferaアディスアベバ科学技術大学長とGebre Yntiso Deko ジンカ大学長が挨拶に立ちました。両大学ともエチオピア国内では比較的新しい大学であり、本プロジェクトでの協働を通じて人材育成や研究能力の向上を期待する旨を述べました。また木村教授は、本プロジェクトの略称「MNGD(Making Networks for Glocal Development)」が、アムハラ語で道を意味する「マンガード」に由来する点を説明し、本プロジェクトを通じて両国間の学術交流の道が新たに拓けることを願うと述べました。その後、各参加者から所属大学、プロジェクトの概要、今後の研究計画について発表が行われました。
最後に来賓を代表し、松永大介 在エチオピア日本大使が「自由な学風で知られる京都大学のユニークな研究が、エチオピアの社会に還元されることを願う」と語り、共同研究による成果が実装されることを期待しました。その後の意見交換会では参加者らが活発に意見を交わし、キックオフ・ミーティングは盛会のうちに幕を閉じました。
エチオピアでは道路が整備されていないために、アクセスが困難な農村地域が多くあります。このプロジェクトは、在来植物を原料とした土質改良剤の開発し、泥濘化や隆起する道路の地盤を強化する手法の構築を目指します。本プロジェクトは、日本と開発途上国の研究機関が、環境や防災など、国際社会が協力して対応すべき課題の解決に向けて共同で研究を行う地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択されました。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を受け、国内から宮崎大学、愛媛大学、名古屋工業大学、エチオピアからはディスアベバ科学技術大学、ジンカ大学、エチオピア道路公社が参加し、2019年4月から5年間行われる予定です。
挨拶に立つ木村亮工学研究科教授
大学紹介をするGebre Yntiso Deko ジンカ大学長
来賓の挨拶をする松永大介在エチオピア日本大使
集合写真