京都大学学術研究支援室(KURA)と一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA)は2018年8月17日、本学関係講師4人による「京大発:非侵襲、低侵襲で新薬開発・診断・計測に貢献する3つのツール」と題した講演会を企画、開催しました。
講演会の冒頭で中平 博之シニアリサーチ・アドミニストレーター(SURA)が、KURAによる大学の発展と研究力向上に向けた様々な取り組みを紹介するとともに、産官学連携の新しい「京大モデル」の体制について説明しました。山本 正道特定准教授(腎臓内科学)は、生体内ATPを経時的、非侵襲的、定量的、かつ誤差値少なく計測可能なシステムを開発し、医薬品等を含む幅広いライフサイエンスの分野における研究開発への活用展開の可能性について述べました。
続いて、飯間麻美助教(白眉センター、放射線医学講座)は、独自の数理手法を応用した拡散強調MRIの原理や優れた技術的特長を紹介し、従来の画像診断では鑑別が困難だった非浸潤性乳管癌の診断や乳腺腫瘍の診断精度の向上に繋がる可能性を示しました。
石田賢太郎氏(株式会社マイオリッジ)は、同社が独自に開発したiPS細胞由来心筋細胞と一般品との比較を行い、前者がミトコンドリア活性や成熟度が高く安全性評価等の観点でより優れていることを示しました。
開催当日は、お盆休みの週にも関わらず、46人のJBA会員が出席しました。参加者は各講師のプレゼンテーションを熱心に聴講し、活発な質疑応答もあって、講演会は大変盛況でした。 KURAは今後も関係団体との連携により、本学の学術研究の成果を広く社会に紹介すると共に、産官学連携の推進に貢献していきます。
今回の講演会は、JBAのご協力のもと、KURAの中平SURAの企画・運営で開催しました。