京都大学学術研究支援室(KURA)欧州拠点は、2018年4月16〜18日にベルギー・ブリュッセルで開催された研究支援者団体European Association for Research Managers and Administrators(EARMA)第24回年次大会※で、日欧の学術連携推進にむけたリサーチ・アドミニストレーター(URA)間のネットワーク強化を目指し、アムステルダム大学、ポーランド科学アカデミー、日本国内の連携大学(大阪大学、神戸大学、早稲田大学)のURAと共同でセッション「Globalisation and Competitiveness as a Challenge for RMAs: Views from Europe and Japan」を企画・開催しました。
第24回EARMA年次大会会場(ブリュッセル)
オープニングセッション
KURAからは鈴木 環URAと天野 絵里子URAが出席し、鈴木URAが日本側を代表して研究者のモビリティ(流動性)促進に向けた課題と、本学の欧州拠点(ハイデルベルク)など日本の大学の在欧オフィスを活用した日欧共同研究支援について紹介しました。
日欧連携セッションで発表する鈴木URA
続くパネルディスカッションや約50人のセッション参加者を交えた質疑応答では、国際化を身近な課題とした活発な議論がなされ、「研究者のモビリティを高めるために今後も日本のURAと密に情報・知識交換を進めながら協働していきたい」というアプローチが多く寄せられました。
日欧連携セッション:パネルディスカッション
また本大会では、欧州の現在の研究開発フレームワーク計画「Horizon 2020」の次のステージ「FP9」に焦点を当てた講演・報告が数多く見られました。この中で、現在進められている枠組みづくりでは、次の3本柱を政策の軸にするという方針が発表されました。
このような変わりゆく学術政策と多様な研究者のニーズに対応するためには、URA自身の恒常的なスキルアップが不可欠となることから、EARMAの専門人材開発委員会では、広く全世界のURAに向けて人材開発プログラムとレベル別の認証の機会を提供しています。
本大会での同委員会でのセッションでは、日本のURAの高度化にむけて大いに参考になる情報が得られました。
欧州全体の学術政策がターニングポイントを越えつつある中、日欧共通の課題解決にむけたURA間の今後の協働が注目されます。
※EARMA年次大会は、欧州のリサーチマネージャー・アドミニストレーター(URA)約700人が集い、欧州の研究動向に関する最新の情報を交換する機会です。
第24回EARMA年次大会の様子