京都大学学術研究展開センター(KURA)は、2023年8月9日、16日、9月21日、28日に、主にライフサイエンス領域における学内研究者を対象に「知財戦略相談会(以下、本相談会)」を開催しました。各回、相談者を含め7名ずつで実施しました。
本相談会は、KURAが2023年度の独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)「知財戦略デザイナー派遣事業(以下、本事業)」公募に採択されたことを受けて企画、開催したもので、2023年8月から2024年3月まで実施する予定です。
本相談会は、本事業から派遣される合田 公志郎 先生(知財戦略デザイナー)、早乙女 周子 医学研究科 特定教授、KURAの中平 博之 URA・菅井 佳宣 URA・古谷 真優美 URAをコアメンバーとする体制で相談に応じています。その中には研究初期段階のものから、取得した特許をもとにした事業化まで、知財戦略策定に向けた多岐に渡る相談が含まれています。本事業で承認された時間枠の有効活用と、可能な限り多くの相談案件の受領を前提として、本相談会の時間は、1案件につき原則、1時間に設定しています。この短時間に的確な回答へと導くために、本相談会前の準備として、①上記URAは、本質的かつ明確な相談ポイントを設定、②合田先生は、当該ポイントを基に相談者の課題解決につながる必要十分な背景情報と、戦略的かつ具体的な対応策が盛り込まれた実効性の高い資料を作成しています。合田先生は、長年、製薬企業の知的財産部長を務められるなど、知財関連の実務経験が大変豊富であり、上記の資料、及び本相談会での助言には、その高い経験値が反映されています。これまでに、相談者からは、「厳しいことを言われたが、非常に納得できた」、「このような実務を重んじた相談会は今までになかった」、「未だ多くの先生方が本相談会を活用していないのは勿体ない」といった意見が寄せられました。今後もKURAは、発明シーズの発掘、産学連携推進、及びスタートアップ・ベンチャー起業などの支援活動を積極的に展開し、基礎研究成果の知財価値の最大化と、それに基づく事業化に向けて、貢献して参ります。