2022年6月22日、日本学術会議科学者委員会研究評価分科会にて、KURAの人文・社会科学系研究支援プログラムのメンバーの佐々木 結 URAがオブザーバーとして欧州での研究評価見直しの動きなどを紹介しました。
同分科会では2021年11月、提言「学術の振興に寄与する研究評価を目指して―定量的評価手法及び資源配分へのその利用の問い直しを中心に―」 を発表し、研究評価改善の指針となる6つのポイント を示しました。これを踏まえ、2023年9月までとなる今期の分科会においては、海外での動向をにらみながら、政府・資金提供機関とも連携し、より具体的な研究評価の意見を出すことを目指しています。
とりわけ関心が寄せられているのは、個人のパフォーマンスの評価と組織評価の関係、人文社会系研究と研究評価の在り方です。11月の提言が出された背景の一つとして、運営費交付金算定のための機関評価と、各法人における人事給与マネジメント改革の中での業績評価において、定量的評価手法への依存度が高まっているという状況がありました。こうした流れがさらに加速している現在、機関としての評価を向上させるため、機関評価において用いられる定量的な指標が、個人の業績評価と何らかの形でリンク付けされていないか、それがひいては、人文社会系など定量的指標で把捉することが難しいとされている分野の研究者や研究の方向性にしわ寄せをもたらしていないか、という問題意識があるようです。
人文・社会科学系研究支援プログラムの佐々木 URAがオブザーバー参加した今回は、欧州での研究評価見直しの動きなどを紹介しつつ、分科会提言が国際的な研究評価改善の流れと軌を一にするものであるという認識を共有しました。また、人社系URAネットワークで検討を進めている、責任ある研究評価を考える動きについても、今後分科会と共有していくことが期待されています。
今後も、KURAでは関係機関と共同し、研究の発展につながる評価を模索する努力を続けていきます。
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