京都大学学術研究支援室(KURA)は2021年12月3日、Joe Ngケンブリッジ大学出版会(CUP)社会科学担当編集者と、同社から書籍を出版したMahon Murphy 法学研究科准教授をゲストスピーカーとし、「編集者と語る海外書籍出版セミナー」をオンラインで開催しました。
セミナーの前半はKURAの趣旨説明に続き、CUPのJoe Ng氏がシンガポールから講演。16世紀に遡る大学出版会の歴史から始まったNg氏の講演では、プロポーザルの書き方についても、スマートでなくともシンプルに内容が伝わるタイトルとすること、想定される読者層の記載はよりピンポイントに特定することなど具体的なアドバイスがありました。
続いてMurphy准教授が、2017年9月に出版された著書‘Colonial Captivity during the First World War: Internment and the Fall of the German Empire, 1914–1919’の出版経験について講演。自身の博士論文をベースにした書籍出版に至るまで、「出したいと思う出版社のシリーズ編者」に学会で出会って質問攻めにしてみたり、より一般の読者を意識して各章のはじめに小さなエピソードを入れてみたりといった、試行錯誤の経験を共有され、参加者からも好評を得ました。
このセミナーは、研究成果の英語書籍としての出版を支援する「人文・社会科学系研究支援プログラム」の一環として企画。学内研究者のほか大学院生、URAなど22名が参加したほか、それに先立ち12月1日〜3日までの3日間、研究者17名が編集者と個別にオンラインで面談し、書籍出版に向けて具体的に話し合う機会も提供しました。
企画、講師との調整、当日運営などを藤川 二葉URAと佐々木 結URAが担当しました。KURAでは、このような機会を重ねつつ、京都大学の強みである人文・社会科学系研究の成果発信に今後も取り組んでいきます。
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