京都大学 学術研究展開センター Kyoto University Research Administration

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「外国人研究者研究支援(FRESH)ワークショップ」を開催しました(2018年2月23日)

03.03 (Sat)2018

京都大学学術研究支援室(KURA)は2018年2月23日(金)、「外国人研究者研究支援(FRESH)ワークショップ」を開催しました。

このワークショップは、全国の大学や研究機関における外国人研究者研究支援に関する取組事例や課題を共有し、よりよい研究支援のあり方について相互理解を促すべく、KURAの外国人研究者支援ワーキンググループの斎藤 知里URA、大澤由実URAが中心となり企画。吉岡佐知子URAが司会、桑田 治URAがKURA取組事例の紹介をしました。

当日は、予想を上回る全国18の大学・研究機関・資金配分機関から43人の参加がありました。

前半は、科学技術振興機構(JST)、京都大学、広島大学、沖縄科学技術大学院大学、横浜市立大学から取組事例などを発表しました。

まずJSTからは、「外国人研究者が活躍する CREST/さきがけの領域の事例として、通常のメールでの連絡や領域会議が英語で行われていたり、申請書類もほぼ英語化されている」との報告がありました。

また各大学での支援では、外国人研究者のニーズに合わせ英語による科研費説明会、リトリートの開催など工夫を重ねる一方、流動性の高い外国人研究者の総数を把握し、多様な研究キャリアに対応した支援に伴う難しさも明らかになりました。

 

続いて、東京工業大学URAの司会により、京都大学の外国人研究者3人のパネリストが、研究に関する体験談を話しました。

パネリストからは「学会を中心とした学術コミュニティが重視される点など、日本の研究環境の特性やコミュニケーションの慣習を理解するのに時間がかかった」という意見が、また会場とのやり取りでは、「URAが介在することで、そうした研究環境での障壁を乗り越えることが可能となった」ことなどが和やかに共有されました。

ネットワーキングのコーヒータイムを経て、後半はグループに分かれ、取組みの好事例と課題について意見を交換しました。

好事例としては、各部局に英語対応者を配置するだけでも多くの外国人研究者が救われること、翻訳を外注するときのtips(業者、リサーチアシスタント等の使い分け)などが挙げられました。

一方、科研費以外の外部資金の情報や、事務や他部署との連携といった具体的な課題のほか、大学全体の国際化に対する意識が問われているといった、大きな問題提起もありました。

最後の締めくくりとして、日本学術振興会(JSPS)学術システム研究センター主任研究員・京都大学農学研究科の植田和光教授より、コメントがありました。

科研費改革により、様々な課題に対応していること、世界でもユニークなピアレビューによる資金配分の仕組みを、研究者自身の貢献により維持していく必要性のほか、使用言語や国籍にかかわらず外国人研究者やURAが調書を工夫するとよいという助言もありました。

外国人研究者支援と一言にいっても、各大学での状況、業務内容の違いもあり、共同で取り組むことができる課題は限られていますが、事後アンケートでは、大学現場に活かせる有益な情報が得られたの声が多く寄せられました。

KURAでは今後も、資金配分機関や政策関係者などに向け情報発信を続けていこうと考えています。

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